- プッシュアップバーがあれば腕立て伏せの効果は最大化する。
- 代用できなくもないが、手軽さはピカイチ
腕立て伏せはしてるけど、プッシュアップバーは必要ない…。
自宅でのトレーニングをメインにしている人でも、そういう方は結構います。
確かに腕立て伏せって別に何もなくてもできるのがいいところですが、プッシュアップバーは必要ないのかという話になるとどうでしょう?
結論から言えば、自重トレーニングをメインでするなら必須と言えます。
具体的に言えば以下のようなタイプのものがあればベターですね。
本記事では、プッシュアップバーは本当に必要がないのか?必要がないと言われる原因と、そうとも言い切れない理由について筋トレ歴4年目の目線で解説しています。
自重トレーニングを始めた方や、腕立て伏せに現在取り組んでいてプッシュアップバーが必要かどうか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
プッシュアップバーがいらないと言われる4つの原因
プッシュアップバーがいらないと言われるのには原因があります。
実際、筋トレ初心者の方に私がプッシュアップバーを提案した時に言われたのは主に上の4つ。
- ダンベルなどを使った方が効果が高い
- 本とか台で代用できる
- 効果がわかりにくい
- 怪我しそう
この記事を読まれている方の中にも、そうそう…って思っている人がいるかもしれませんね。
これらの意見が全て間違っているわけではないのですが、聞いていて誤解が多いなぁと。
今回の解説を通じて、あなたが誤解しているかもしれない部分の解決になればと思います。
1:ダンベルなどを使った方が効果が高い
これは本当に多い意見なんですが、おおむね間違いはありません。
ダンベルなどのウエイトを用いたトレーニングは負荷の調整が簡単なので、効率という点では間違いなく軍配があがります。
正直な話、ウエイトを使って鍛える方が効率的だと思っている方はそれでいいんですよね。
私自身ウエイトの使用については推奨していますし、可変式ダンベルのおすすめランキングでどれがいいのかといったことも書いています。
今回は自重でのトレーニングの効果をアップするのが目的ということを前提にしていますので、ダンベルと比較するのはちょっと違うのかなと。
2:本や台で代用できる
プッシュアップバーは手を置く位置に高さを出して、負荷を上げるグッズです。
そのため、安定感があって多少高さの出せるものがあれば代用自体は可能。
しかしプッシュアップバーほどの省スペースと手軽さを求めると、なかなか代用は難しかったりします。
ぐるっと家の中を見回してみて、以下の条件に合うような台って…ありますかね?
- ある程度の重さに耐えられて
- 長期間使用してもへたらなくて
- こぶし一個分くらいのサイズ
私自身プッシュアップバーを導入する前に家の中を一通り探してみましたが、案外ないもの…。
条件に合うものがあればそれを使えばいいのですが、なければプッシュアップバーを使う価値は十分にあると言えます。
3:効果がわかりにくい
プッシュアップバーを使用したからといって、効果がわかりにくいという意見もよく聞きます。
しかし筋トレに関して言えば効果がわかりにくいっていうのはどれも大差はなく、むしろ短期間で爆発的な効果を生み出すような魔法のツールがないんですよね。
前提として、筋トレをする上で重要なことは4つあります。
- フォーム
- 適切な負荷
- 食事などの栄養
- 適度な休息
個人的な所感ですが、この4つが全体の7割くらいを占めていて残り3割は継続することが重要。
どれだけ効率よくトレーニングができても、すぐに筋肉がつくわけではなく、やめれば少しずつ筋肉は落ちていきます。
いかに適切な負荷を与えつつ、トレーニングを続けていくか。ここが重要になってくるわけですね。
さらに言えば、正しい方法で取り組んだ上でもう一段階効果を底上げするのがプッシュアップバーの役割。
そう考えると、なにも使用せずにトレーニングを続けていくことで起こるマンネリの打破に効果があるのは間違いありませんし、使用することによる負荷の向上も見込めるため、使う前から効果がないと切り捨ててしまうのは正直もったいないかなと感じます。
4:怪我しそう
プッシュアップバーを使うことによるケガのリスクに関しては、むしろ減ると言えます。
逆に、通常の腕立て伏せでは手首への負担がかなり大きく、自身の体重によってはさらにリスクが上がるとも考えられます。
もっと言えば、腕立て伏せにはノーマルなフォームの他にも胸筋の上部や下部を鍛えるような変形フォームも存在するため、手首の可動域が狭い方はかなりの負担になることもあります。(実際私もそうでした)
のちほど解説しますが、プッシュアップバーは手首の負担を抑えるのに適した設計になっていることから、この意見に関しては全力で否定しておきます。
プッシュアップバーを使う4つのメリットを解説
プッシュアップバーがいらないと言われる原因について挙げていきましたが、メリットがないのかと言われれば当然そんなことはありません。
というより、効果がないものが様々なメーカーから発売されることはないと信じたいですし、実際に使用してみてメリットを感じられた部分も多くあります。
ここではプッシュアップバーを使うことによる、メリットについて解説していきます。
筋肉をより伸ばしてより高負荷に
プッシュアップバーの直接的な効果としては、筋肉をより伸ばすことができるということです。
手の部分に高さが出ることで、普段の腕立て伏せよりもさらに深く体を下ろせるようになるため、胸の筋肉を最大限伸ばすことが可能になるのが理由。
筋肉は最大限伸ばした状態から縮めた時に最も力を生み出すため、同じ動作であっても筋肉の伸びが大きい方がより筋肉に負荷がかかります。
小さく動かすよりも、大きく動かす方がパワーを使うと考えるとわかりやすいでしょうか。
収縮させることもですが、しっかりとストレッチをかけてあげることも筋肉を成長させるためには欠かせないポイントと言えますね。
手首の関節を痛めにくい
いらない原因の反論になりますが、プッシュアップバーは手首の保護にも効果的。
プッシュアップバーを握ることで拳を立てることができ、関節に無理な負荷をかけなくて済むためです。
通常の腕立て伏せの場合、手のひらを床につけて行うため手首は常に曲がった状態になりますよね。
その時点で体重の何割かが上から負荷として乗ってくるので、その負担は結構大きくすでに手首が痛いと感じる方もいたりします。(手首の関節の柔軟性にもよりますが、関節が固い方は結構キツい)
手首は基本的に骨と腱で構成されているため、負担がかかることで腱を痛めてしまう可能性もないとは言い切れず、痛めてしまった場合その後のトレーニングにも悪影響なのでなるべく負担をかけないようにすることが重要です。
これらの点からプッシュアップバーで手首をなるべく曲げないようにすることがいいのですが、拳を立てたままでグニッと曲がったりするのも怖いという方もいますよね。
そういった不安がある場合はリストラップを併用することで、手首を固めてしまうのもいいでしょう。
リストラップの効果については、リストラップは何キロから使うべき?【ケガしたくないなら最初から】にて書いていますので、あわせて読んでみてください。
使えるのは胸だけじゃない
プッシュアップバーは胸のトレーニング以外にも使える場面があり、具体的には肩と腹筋でのトレーニングで活用が可能。
肩であれば、腕立て伏せの変形であるパイクプッシュアップ(腰を高くして頭を床に近づける動作)のときに頭を床にぶつけることなく負荷をかけられますし、腹筋はLシット(腕で体を支えつつ足を前方に伸ばして体をL字の状態にするトレーニング)で使用できます。
どちらのトレーニングも、手のひらを付いた状態だと可動域が狭くなったり手首に負担がかかってしまうためプッシュアップバーがあるのとないのでは、やりやすさが格段に変化します。
一石二鳥ならぬ一石三鳥の活躍ができるのは非常に魅力的なポイント。
費用を抑えて取り組める
直接トレーニングに影響するわけではありませんが、コスパがいいのもプッシュアップバーのメリットです。
安いものだと1000円前後から、高くても5000円くらいまでで用意できるものなので(2000円くらいが多い)、手軽に使えるのがいいですよね。
しかも耐荷重が割とあり、簡単に壊れるものでもないので自重でのトレーニングをメインでしている方なら、1つあればずっと使用できます。
のちのちウェイトトレーニングに移行するにしても、自重トレーニングを完全にやめるということはないでしょうから、そういった意味で考えれば無駄が少ないのがプッシュアップバーを取り入れやすい一番の魅力ではないかなと。
プッシュアップバーの代用品との比較
プッシュアップバーの代用品で、候補に挙がってくるものはいくつかありますが主なところとしては以下の3つくらいでしょうか。
- 本や雑誌
- 椅子などの台
- ダンベル
他にもあるかもしれませんが、上の3つで大体の比較はできますのでサラッとまとめていきましょう。
まず本や雑誌などを重ねて高さを出す方法について。
この方法はサイズなどによってそこまで場所を取ることもなく、言うほど固くもないので拳を立てて腕立て伏せをすることも可能なので一見アリなように感じます。
ただ柔らかいことにより安定感が悪いことと、重ねる本が多くなるほど崩れたりした時のリスクが高くなることから、個人的にはあまり推奨できません。ケガをしたら元も子もありませんしね。
次に椅子などの台を利用する方法ですが、これは割とアリじゃないかなと思います。
両手それぞれと、足の部分に椅子を置いてその上でトレーニングすることで、プッシュアップバーと同様の可動域を得ることはできそうですね。
足側の椅子をなしにして腕立て伏せをすれば、胸筋下部を鍛えることもできます。
デメリットをあげるなら、椅子の座面が固いと拳が立てにくい点と椅子自体が多少動く可能性があること。
プッシュアップバーは多くの場合滑り止めがついているため動く心配が少なく、比較すると椅子などは多少リスクがあると考えられます。
最後にダンベルを代用する方法。
ダンベルでも鍛えることができるため、上2つよりも悪くないチョイスにも感じられますが、ダンベルを代用として使用する場合いくつかの制限があることがデメリット。
具体的に言えば、根本的にプッシュアップバーとして使えるダンベルが決まっていることや、プレートによる可動域の制限など。
できないとはいいませんが、実際に試してみた感覚としては『できるけど、やりにくい』といったところでしょうか。
以上のように、どの方法も代用ができないとまでは言いませんが、色々試してみた感じではプッシュアップバーを使う方が手軽に使っていくことができるのは確かで、自重トレーニングメインであれば持っておいて困ることは少ないというのが正直な感想ですね。
プッシュアップバーを取り入れる上での3つのポイント
プッシュアップバーをトレーニングに取り入れる場合、チェックしておきたいポイントは3つ。
ここで紹介するのは、実際に私がいくつか使ってみて感じたポイントになりますのでこれらを意識して選ぶことで、使いやすく効果的なプッシュアップバー選びができます。
それぞれのポイントについて、サクッと解説していきますね。
クッション性は手の痛みを和らげる
プッシュアップバーはクッション性の高いものがベストです。
クッション性が高いものを選ぶメリットは以下の通り。
- 握るところが痛くなりにくく、手のひらの保護になる
- 床に設置する部分にもクッションがあれば床を傷つけにくい
硬いグリップが手に当たった状態で、体重を乗せると単純に痛いんですよね。
クッションがあることでその痛みを全く感じなくなったりしますので、多少グリップが太くなっても厚みのあるクッションがついたものを選ぶようにしましょう。
床に接する土台の部分にもクッションがあるとさらに安心して使用でき、私のように畳をボロボロにして怒られることもなくなる…はず。(めちゃくちゃ怒られました)
ヨガマットなどを併用するのも効果的なので、まだ持っていない方は10ミリ程度の厚みのあるタイプを選ぶのがおすすめですよ。
水平より少し角度があるほうが掴みやすい
プッシュアップバーのグリップ部分は、少し傾斜のあるものを選ぶのがコツ。
手をつく位置によって変わってきますが、胸にフルに効かせようと考えた場合、脇の開きが60°くらいになるのを目安に合わせていきます。
そうすると傾斜の分、水平のタイプより手首の負担がかかりにくいのがメリット。
さらに逆向きにした場合はより胸の下部に刺激を与えることも可能になります。
特に体を上げるときに力が入れやすくなるので、選ぶ時には確認しておきたいところですね。
持ち手は細すぎると腕が疲れる
上のクッション性にもつながりますが、グリップ部分はあまり細いものを選ばないようにします。
グリップが細いと、点で圧力がかかって痛いということもありますが、強く握りこむのを防ぐ役割も。
グリップを強く握りこんでしまうと、前腕(肘から手首の間)の筋肉が疲れやすくなりしっかり追い込めなくなります。
クッションが厚めのものを選ぶことで、握りこむことを防ぐことができるためあわせておさえておきたいポイント。
自重トレーニングの効果を加速する、おすすめプッシュアップバー3選
メーカー | タイプ | 耐荷重 | 持ち手の傾斜 |
---|---|---|---|
アクティブウィナー (ACTIVE WINNER) |
スタンダード | 記載なし | 有 |
ボディテック(Bodytech) | 回転式 | 136kg | 無 |
木製プッシュアップバー | スタンダード | 500kg | 無 |
プッシュアップバーと一口に言っても、その種類は様々です。
選ぶ時のポイントについては上でお伝えしていますが、似たようなものが多くてどれがいいのかって方も結構多かったりします。
今回は、様々なプッシュアップバーの中でも基本的なところから少し変わったものまで、3つご紹介。
普通に使えればいいって方も、より筋トレの強度を上げたいって方にも対応していますので、ぜひ参考にしてみてください。
基本これでOK!アクティブウィナー(ACTIVE WINNER)
スタンダードなプッシュアップバーで選ぶなら、アクティブウィナー(ACTIVE WINNER)が使いやすいです。
グリップ部分に傾斜があり、土台の部分にもクッションがついていて床を傷つけにくいのが最大のメリット。
特別変わった機能などははっきりいってありませんが、手ごろな価格に加えて基本を忠実におさえたプッシュアップバーになっているため、初心者は正直これで十分だと言えます。
底の回転がポイント!ボディテック(Bodytech)
腕立て伏せでも色々なフォームに対応したい場合は、ボディテック(Bodytech)のプッシュアップバーがオススメ。
最大の特徴は、グリップが回転すること。
土台部分を基点にしてグリップが回転するので、様々な腕立て伏せのフォームに対応が可能になっています。
特に手幅を狭くしたフォーム(ナロープッシュアップ)の時に手首に負担がかかりにくくなるのが大きなポイント。
通常の腕立て伏せにおいても、手首を回転させることで手首の負担を軽減したり少し違う刺激を与えたりすることもできるため、多少値は張りますが初心者の方にも使いやすいモデルですよ。
倒立などにも使える!木製プッシュアップバー
シンプルイズベスト。これしか表現のしようがないモデルと言えば木製のプッシュアップバー。
抜群の耐久性に加えて、底面にラバーが張り付けてあることで安定感もピカイチ。
体操選手が練習に使うこともあるくらいなので、倒立やプランシェ(腕立て伏せのフォームで足を床から離す技の1つ)などにチャレンジしたい方にはかなりおすすめ。
今回紹介しているモデル以外にも、バーが長めの物なども割と豊富にありますので色々調べてみるのも楽しいですよ。
プッシュアップバーは代わりを探すより、用意して使う方が効果的
今回の記事ではプッシュアップバーがいらないと言われる原因から、それに対しての必要性について詳しく解説しました。
いらないと言われる原因については、多くは誤解であったり他のトレーニングと比べるべきではないところであったりします。
同じトレーニングをするなら、やっぱり効率よく体を鍛えられる方がいいですよね。
プッシュアップバーを取り入れていけば、引き締まった体への変化もスピードアップできるので、普段の筋トレをもう一段階アップデートしていきたいと考えているならぜひ取り入れてみてください。