- ダンベルフライはダンベルプレスの重さの6割までにしておく
- 単一の関節を動かすトレーニングでは高重量を扱うことは難しい
- 重量の変えられる可変式ダンベルは必須級
ダンベルフライはダンベルプレスと並ぶ、胸の筋肉を鍛えるトレーニングの1つですが、ダンベルプレスと同じ重さでトレーニングするのはおすすめしません。
ダンベルフライとダンベルプレスは決定的に違う点があり、それを無視するとトレーニングの効率が落ちるのに加えて、ケガのリスクも格段に高くなるためです。
本記事ではなぜダンベルフライはダンベルプレスと同じ重さでトレーニングしない方がいいのか?どのくらいの重さでトレーニングするべきなのか?についてまとめました。
この記事を読んでいただくことで、ダンベルフライで扱うべき重量がわかるようになり、より効果的に取り組む助けになればと思います。
まだダンベルを用意していないという方もいるかもしれませんが、自宅での筋トレの場合最も効率よく身体を鍛えていくのであれば、可変式ダンベルは必須と言っても過言ではないグッズとなっているためとりあえず1ペアは用意しておきましょう。
詳しくは下の記事でまとめていますので、よければ参考にどうぞ。
ダンベルフライの片方ずつの重さ・セットの組み方は?
ダンベルフライで扱うダンベルの重さは、ダンベルプレスと同じだと簡単にはできません。
理由は後ほど解説しますが、実際にどんな重量・セットを組んでいけばいいのか?
基本的な考え方は大きく分けて2つ。
それぞれについて解説していきます。
ダンベルフライでの重さはプレスの6割まで!
ダンベルフライを行う際のダンベルの重さは、ダンベルプレスで扱う重さの6割までにしましょう。
なぜかと言えば、ダンベルフライはアイソレーション種目であることが一番大きな理由になります。
アイソレーション種目というのは簡単に言えば、1つの関節のみ動かすトレーニングのこと。
筋肉は関節から関節につながっているので、動かす関節が多くなるほど使う筋肉も多くなり、今回の例でいえば肩の関節だけ動かすのか、肘の関節も動かすのかの違いとなります。
ダンベルプレスは肩の関節と同時に肘の関節も動かすため、純粋に胸の筋肉だけではなく二の腕の筋肉も使用するのでより重い負荷でトレーニングが可能に。
ダンベルフライだと肘は固定して、肩の関節のみ動かしてトレーニングするためほとんど二の腕の筋肉は使用しないことになるので、扱う重さは軽くする必要があります。
- 関節を1つだけ動かす筋トレ=アイソレーション種目
- 関節を2つ以上動かす筋トレ=コンパウンド種目
ダンベルプレスが仮に片方10kgでトレーニングしているのであれば、ダンベルフライで扱うのは片方5~6kg程度が目安になりますね。(ダンベルによって設定できる重量が違うので近いところでOKです)
ダンベルプレスと同じ重さでトレーニングすると、フォームが崩れたりケガをする原因になったりもしますのでここはしっかり計算していきましょう。
計算するのめんどくさいよって方は、簡易的ですが表を置いておきますので参考にどうぞ。
▼ダンベルフライ重量早見表(片方の重量・2.5kg刻みのダンベルを想定)▼
ダンベルプレスの重量 | ダンベルフライの重量 |
5kg | 2.5kg |
7.5kg | 2.5kg~5kg |
10kg | 5kg |
12.5kg | 5kg~7.5kg |
15kg | 7.5kg |
17.5kg | 7.5kg~10kg |
20kg | 10kg |
22.5kg | 10kg~12.5kg |
25kg | 15kg |
27.5kg | 15kg |
30kg | 17.5kg |
ダンベルフライの回数・セットは重さに応じて変えていく
ダンベルフライの回数については10~15回程度の反復回数を基本にしましょう。
ダンベルプレスであれば自分にとっての高重量を扱うことも可能なので、回数は10回前後(8~12回程度)できるくらいを目安にすることが多くなります。
しかし、ダンベルフライの場合はダンベルプレスの6割までを目安に重量設定するため、8回だけだと負荷が足りないことがほとんど。
負荷の不足を防ぐために、もう少し回数を増やして15回くらい反復するのを目標にしていきましょう。
- 筋持久力を上げたい場合は、ダンベルの重さを落として回数を20回にするなどで対応が可能
- 筋力を上げたい場合はダンベルプレスなどのコンパウンド種目で行う方が効率的
ダンベルフライのフォームの注意点は主に胸と肩!
ダンベルフライの重さについて解説していきましたが、フォームについても少し解説。
ダンベルフライの一連の動作は以下の通りになります。
▶ダンベルフライの流れ
- ダンベルを持ち、ベンチに仰向けに寝転がる
- ダンベルを縦に持ち、腕を伸ばして胸の前に構える
- 腰を少し反って胸を張る
- 肘を少し曲げて、重さが胸に乗ったら、息を吸いながら横に腕を開いてダンベルを下ろしていく
- 肘はあまり動かさず、ダンベルが胴体よりやや上のところまで腕を広げたら一旦停止
- 息を吐きつつ、肩を動かしてダンベルを正面に上げていく
一連の流れを見た時に、なるべく用意しておきたいものがトレーニングベンチです。
トレーニングベンチを利用してトレーニングを行うことで、筋肉の可動域がより広がるため非常に効果的。
ダンベルフライに限らず様々なメニューでも使用が可能ですし、Motionsあたりのベンチであれば耐荷重200kgの高強度で、リクライニング可能と使い勝手も十分なのでおすすめですよ。
スタートポジションでフォームは決まる
筋トレ全般に言える話ですが、スタートポジションはフォームを決める上で最重要ポイントの1つです。
▼スタートポジションまでの注意点
- 胸は必ず張った状態を維持する
- 足で床を押して肩甲骨をベンチに押し付ける
- 肘は伸ばし切ったままにしない
まず、胸は張った状態を維持するようにすることで胸の筋肉を最大限伸ばせるようにしていきます。
胸を張らずに肩が前に出た状態でトレーニングすると、効果が出にくく肩の方に負荷がかかりやすくなるためですね。
ここが出来ているのと出来ていないので効果にかなりの差が出るので、常に意識しておくようにしましょう。
足はベンチの下で体を支えているわけですが、床を押して体のアーチを作る手助けをしましょう。
腰は大きく反る必要はありませんが、少し反った状態の方が胸を張りやすくなり、背骨でアーチを作ると肩甲骨がベンチに押し付けられるような状態になります。
背中だけでその状態を維持するのは、やってみるとわかりますが結構きついです。
足を踏ん張って頭側に体を押し出すようにすると安定しやすくなるので試してみてください。
最後に、肘は伸ばしたままにしないこと。
これは単純に上に上げた時に負荷が抜けてしまうことと、下ろすときに肘が伸び切っていると腕の腱に負荷がモロに乗ってしまうためです。
多少遊びがあるくらいにしておかないと、肘の関節を痛めてしまうこともあるので少しだけ曲げておきましょう。
ダンベルを下げるときは肩と肘に注意
スタートポジションが取れたら、腕を横に開いてダンベルを下ろしていきますが、ここで気を付けたいのが肩と肘です。
▶ダンベルを下ろすときの注意点
- 肩よりもダンベルが頭側に来ないようにする
- 肘の開きは90度以上120度以内でおさめる
ダンベルが肩よりも頭側にきてしまうと、肩を痛める原因になると同時に胸への負荷が逃げてしまいます。
肩をケガしてしまうと、上半身のトレーニングはほぼ出来なくなってしまうので確実に避けておきたいところ。
ダンベルを下ろすときは、肩よりも頭側ではなく胸の横に来るように下ろしましょう。
肘の角度は、二の腕と前腕の角度が最低でも90度(前腕が床と垂直)から120度(やや開いた状態)までに収めましょう。
肘が開きすぎていると、上で解説したように腕への負担が大きくなると共に関節への影響もあります。
逆に90度よりも浅い(前腕が体側に向いている)場合、ダンベルフライとは呼べなくなってしまいます。
イメージとしては、ワイドなダンベルプレスといったところ。ダンベルプレスが直線的にダンベルを動かすのに対して、脇の開きを大きくすることで円軌道を描きながらダンベルを下ろしていくような感じになります。
▼以下の動画の1:20~2:40辺りがわかりやすいため、動きの参考にしてみてください。
ダンベルを上げるときは胸への意識を切らさない
ダンベルを下ろして一旦停止したら、息を吐きつつダンベルをスタートポジションの位置に戻していきます。
この時意識したいのは胸と肩。
▶ダンベルを上げるときの注意点
- 胸はちゃんと張れたままか?
- 上げるときに肩が前に出ないようにする
- 上まで上げたら、少しだけダンベルを前に押し出す
胸については言うまでもありませんが、張った状態を維持しておくようにします。
ダンベルを上げることに意識が向きやすく、胸への意識が切れがちなので忘れないようにしていきましょう。
肩は上げるときに一緒に前に出ないようにしましょう。
肩が前に出てしまうと、肩の前の筋肉に負荷がほとんど持っていかれてしまいます。
胸を張れていないと結構起こりやすいミスなので、併せて意識しておきたいポイントですね。
上げた時にダンベルを前に押し出すと、胸の筋肉の収縮が最大化します。
肩が前に出すぎないよう意識しながら、少しだけでいいのでダンベルを押し上げてみてください。
胸の中央がギュッと締まるのがわかってきますよ。
ダンベルフライに使えるグッズはこの3つ
ダンベルフライで胸の筋肉を鍛えていく場合、ダンベル以外にも用意しておく方が良いグッズが3つあります。
- トレーニングベンチ
- リストラップ
- トレーニンググローブ
別のもので代用できる場合ももちろんありますが、なしで取り組むよりは効果を底上げしてくれるものばかりなので、まだ持っていない方や使用していない方はぜひ参考にしてみてください。
トレーニングベンチ
自宅でトレーニングをする場合、一台は用意しておきたいのがトレーニングベンチです。
特に胸を鍛えることのできるダンベルプレスやフライに関しては、床で取り組むよりも可動域がかなり広がることで刺激の入り方が段違い。
胸だけでなく背中や肩、腕などのトレーニングメニューにも活用することができるため、一台あるだけで自宅でのトレーニングの幅が大きく変わります。
めちゃくちゃ安物などを買ったりしなければ、数年は十分使用できるものなので耐荷重などを見つつ用意しておきたいところ。
リストラップ
ダンベルフライで一番怖いのは、ダンベルが下にさがったときに重さで手首が外側に反ってしまうことです。
手首はそこまで負荷に強い関節ではないので、不意に手首が反ってしまって痛めてしまうのは避けたいところ。
そこで使ってみてほしいのが、リストラップ。
リストラップはシンプルに手首に巻き付けて使用するグッズですが、これを使うことで手首をガッチリと固定することができるようになるため、ダンベルの重さに負けて手首を痛めるリスクが大きく軽減します。
扱う重量が大きくなってからでもいいと考えがちですが、ケガをしてからでは遅いので個人的には筋トレをするなら最初から用意しておいてもいいと思えるグッズの1つ。
リストラップの詳細は下の記事でまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。
>>>リストラップは何キロから使うべき?【ケガしたくないなら最初から】
トレーニンググローブ
トレーニンググローブは手のひらにマメができる方や、ダンベルが滑って気になる方におすすめのグッズ。
ダンベルでのトレーニングはどうしても、シャフトを握りこんでしまいがちなので人によってはマメができてしまうんですよね。
マメができると、痛みが出てしまうためなかなか回数をこなせなくなったりモチベーションが下がってしまったりと、良いことはありません。
トレーニンググローブがあれば、手のひらをしっかりガードしつつ、表面の滑り止めも効果を発揮してくれるため、より筋肉を追い込むことも可能になります。
手首をある程度保護できるモデルもあるため、リストラップほどではないにしろ手首のリスクも軽減できるのもポイントですね。
ダンベルフライの重さはダンベルプレスと同じで考えない!
今回の記事では、ダンベルフライの重さをどうすればいいのか、フォームとあわせて解説しました。
- ダンベルフライはダンベルプレスの6割くらいの重さで行う
- 重さを落とす代わりに、しっかりと15回程度回数をこなして鍛えていく
- ダンベルフライ以外にもトレーニングを行うなら可変式ダンベルは用意しておくべき
ダンベルフライは、同じ胸のトレーニングでもダンベルプレスとは大きく違うため、胸筋に違ったアプローチをかけていくことができるようになります。
とはいえ、重量設定を間違えるとケガのリスクが高まってしまうこともありますので、まずは軽めの負荷から取り入れてみていただき、よりたくましい胸筋を作り上げていってください。